平和宣言 沖縄 歴史 文化 平和
習作/下地 秋緒
【 安全保障関連法案について 】
2015.7.17 今泉 真也
現在、国会で強行されようとしている安全保障関連法案について、私は子育て中の父親として、いのちを撮ることを生業とする写真家として、以下の声明に賛同いたします。
【 安全保障関連法案(安保法案)に反対する環境NGO共同声明 】
現在、国会で通称、「安保法案」(注1)が審議されています。(衆議院では強行採決されてしまいました/今泉:注)私たちは、環境保全や平和、人権問題に取り組んできたNGOとして、安保法案は、日本が戦争に加担することを可能にするものであることから、これに反対します。また、形式的な審議を繰り返したあげくの衆議院での強行採決に強く抗議します。
言うまでもなく戦争は最大の環境破壊であり、人権侵害です。歴史上、あらゆる戦争は、他国の脅威を必要以上に宣伝し、自国あるいは同盟国の利益を守ることを言い訳にして、引き起こされてきたのです。いまこそ私たちは、こうした歴史を真摯に振り返るべきでしょう。
ひとたび、この一連の法改正が行われば、戦後70年、日本が築いてきた平和国家としてのブランドが覆されるでしょう。自衛隊が戦争に加担し、人を殺し、殺される事態となるでしょう。海外では日本人が標的にされ、国内ではテロのリスクが高まることが予想されます。
~中略~
共同通信による最新世論調査(6月20、21日)では、安保法案「違憲」が56.7%、「違憲でない」が29.2%。法案に「反対」する人は58.7%にも上っています。政府与党は、この圧倒的な民意や憲法学者の意見を無視するべきではありません。
私たちが取り組んできている環境運動の目的は、自然環境と生物多様性、そして人々の生活環境を保全し、人権と平和を守り、安全で安心な生活ができる社会を築くことにあり、安保法案はその最大の脅威です。
私たちは、平和を真剣に希求するすべての人たちとともに、安保法案を廃案することを求めます。
2015年7月28日
(注1)武力攻撃事態法、周辺事態法、自衛隊法、国連PKO法など10の法律の改定と、国際平和支援法の新設。
【 特定秘密保護法について 】
2013.12.7 今泉 真也
~各会の声明~
私は「音楽・美術・演劇・映像・出版など表現に関わる人の会」(表現人の会)に賛同しています。賛成も含めいろいろなご意見があると存じますが、沖縄戦の歴史を見ると、「交戦できるようになる」ことで平和が守れるとは思われません。
「ちゅに殺(くる)さってぃん 寝(に)んだりーしが、ちゅ 殺(くる)ちぇー、寝(に)んだらん」
(人に痛めつけられても眠ることはできるが、人を痛めつけたら、眠れない)
ということわざがあります。実際に沖縄は、昔から武力を持たずに中国などとも対話をし、交易をしてきました。
日本は、武力を誇示して挑発したり、侵略に備えるより、周囲に対話を訴えていくべきではないでしょうか。理想論ではあっても、それこそが、アジアの一部である日本という国が率先して役に立てることだと思います。
また、この法律について、“適用範囲が狭く、適正に管理もできる” と言われても、今後「想定外」の形で悪用されることへの不安を拭えません。原発事故も、原子力の推進を始めた1950年代の時点で本当は「想定されていた」からです。そんなことも、秘密保護のもとに隠されていく可能性があります。
私は次代へバトンを渡す責任のある者として、個人として、「特定秘密保護法」や、現憲法に加えられようとする変更について、反対いたします。
表現人の会には、私が名前を知る範囲で以下の賛同人がいらっしゃいます。何気ない日常という「平和」を支えるのは、私たちひとりひとりの小さな一声(表現)だと思います。どうぞ、関心を持っていただければ幸いです。
賛同人
百々武(カメラマン)、都築響一(編集者)、小原玲(写真家)、石川梵(写真家)、比屋定篤子(歌手)、馳 星周(小説家)、壹岐章子(陶工)、壹岐幸二(作陶家)、佐藤秀明(写真家/映像作家)、石川真生(写真家)、森由美(デザイナー)、利重剛(映画監督/俳優)、周防正行(映画監督)、名嘉眞 正(家具職人)、妹尾三郎(写真ディレクター)、山下大明(写真家)、渡辺一枝(作家)、荒川じんぺい(装丁家・エッセイスト)、稲嶺真子(イラストレーター、作家)、中島和也(登山ガイド/画家)、塚本晋也(映画作家)、おーなり由子(作家)、丹下紘希(映像/アートディレクター)、小島曠太郎(文筆家/捕鯨文化研究者)、いとうせいこう(作家/クリエーター)、平野啓一郎(小説家)、照屋道彦 (ミュージシャン)、中村宏治(写真家)、まつかわゆま(映画評論家)、ジャン・ユンカーマン(映画監督)、坂口恭平(作家/建築家)、比嘉春香(染色家)、永田鉄男(撮影監督)、森園みるく(漫画家)、ひろかわさえこ(絵本作家) 、長澤雅彦(映画監督)
ほか(2013.12.7現在)
発起人
浅田彰(京都造形芸術大学教授)、岩井俊二(映画監督)、大貫妙子(音楽家)
鴻上尚史(作家・演出家)、國分功一郎(哲学者)、坂本龍一(音楽家)、島本脩二(編集者)、杉山知之(デジタルハリウッド大学学長)、高橋靖子(スタイリスト)、中沢新一(人類学者)、奈良美智(美術家)、巻上公一(音楽家)、森達也(作家/映画監督/明治大学特任教授)、安田登(能楽師)、湯川 れい子(音楽評論/作詞)、池末みゆき(ライアー奏者/教育者)、オノセイゲン(ミュージシャン/作曲家/音響空間デザイナー)、金 聖雄(映画監督)、佐藤良明(ポピュラー音楽研究/東京大学名誉教授)、谷川賢作(音楽家)、永島智之(キョードープロモーション代表取締役)、渡辺達生(カメラマン)
ほか(2013.12.4現在)
【 平 和 宣 言 】
2012.10.1 今泉 真也
本日、沖縄にオスプレイが到着しました。開発時より事故が多発したことで、米軍内でも「ウィドゥメーカー(未亡人製造機)」と呼ばれるようになった軍用機です。地上では抗議やゲート閉鎖が行なわれましたが、空から沖縄入りしてしまいました。被災地の心の傷も癒えぬうちに、原発再稼動どころか建設再開までしていくのと同じように。
エッセイでご報告しているように、9月には多くの人々が県民大会へ集まりました。振興策の駆け引きや政治的なものが沖縄の背後にある、という推測が一部でなされていますが、悲しさを覚えます。頭上を飛ぶ軍用機の音や墜落の恐怖を、戦争の訓練をしている兵士が起こす犯罪に、家族が巻き込まれるリスクを、想像すらできないのか、と思うからです。
私は母校にヘリが墜落した日以来、迫ってくるヘリの音がすると怖くなり、落ち着きません。「2度とあってはならない」とはよく誓われる言葉ですが、沖縄での事件事故は、何度も何度も繰り返されてきました。文字にしたくないような、悲惨なものばかりです。
語ることが多すぎますが、私は19歳で沖縄に来、沖縄国際大学に学びました。ゼミの活動の中で、沖縄戦の体験をおじいやおばあからたくさん聞きました。卒業後も、自然の写真を撮るかたわら、お年寄りからさまざまな体験談を受け取りました。私が沖縄の外で生まれた人間と知りながら、「伝えるために」と1対1で話をして下さったお年寄りの姿が原点です。そして、地上戦の現実を刻んだ土地にずっと暮らしてきました。空にはいつも軍用機の爆音が響いていました。
米軍人を父に持つ知人と話したことがあります。彼は「父は尊敬している。だが海兵隊は沖縄から去るべきだ」と語りました。「僕の娘はこの音に慣れさせたくない。本来あるべき、静かな土地で育てたい」
今の日本の政治は、沖縄や地方の声を聞こうとはしていません。沖縄の現実を直接世界に届ける必要があります。海外にご友人をお持ちのみなさん。ぜひ情報を発信していただけませんか?この美しい沖縄を、少しでも早くイクサ世から遠ざけるお手伝いをしてみませんか? それは、「外敵」を演出し、徐々に戦争へと向かう今の日本を変えることにも、役立つのではないかと思います。
私たちは、誰をも傷つけたくありません。ただ静かな平和な島で暮らし、愛するひとと子どもを育てて行きたいだけです。軍事基地は要りません。
沖縄は我慢しすぎました。いつまでも「戦後」を迎えられない状況は、もうたくさんです。アメリカのみなさんには後日、観光で訪れていただければうれしいです。
まずは琉球新報、沖縄タイムスの両地元新聞をWebでごらんください。本土紙で報道しない事実がたくさんわかると思います。私たち沖縄のカメラマンやアーティストも、それぞれのやり方で発信していくと思います。
よろしくお願いいたします。
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